ダイオキシン類測定

ダイオキシンとは

一般に、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランをまとめて「ダイオキシン類」と呼び、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類似化合物と呼んでいます。

平成11年7月16日に公布されたダイオキシン類対策特別措置法においては、ダイオキシン(PCDDs)及びフラン(PCDFs)にコプラナーPCB(Co-PCBs)を含めて“ダイオキシン類”と定義されました。

ダイオキシン類は、塩素の置換数と置換位置によって、ダイオキシンで75種類、フランで135種類あり、この内、毒性があるとされているものは17種類です。また、コプラナーPCBのうち毒性があるとされているものは12種類です。

その中でも2,3,7,8の位置に塩素が付いたダイオキシンを「2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TeCDD)といい、ダイオキシン類の中で最も毒性が強い化合物とされています。

参照

ダイオキシンの発生源

ダイオキシン類は塩素を含む有機化合物(300℃~500℃)で燃焼させると発生すると考えられており、

日本の場合廃棄物や一般家庭からのゴミの焼却炉でした。

他にも塩素化フェノールや関連する除草剤、PCBなどの工業化学品の不純物、塩素漂白などに伴う副正などがあります。

ダイオキシン特別措置法施行後は、定期的な測定が行われるとともに、

焼却炉の改善や廃止が進み、現在では以前より大幅に改善されています。

ダイオキシンの毒性

ダイオキシン類の毒性は一般毒性、発がん性、生殖毒性、免疫毒性など多岐にわたります。

①一般毒性

体重減少、胸腺萎縮、肝臓代謝障害、性ホルモンや甲状腺んホルモン代謝異常、コレステロール等脂質代謝異常、皮膚症状(クロロアクネ)、中枢神経の症状の異常が現れると考えられています。

②発がん性

長期毒性試験では、肝細胞のがんの他、ダイオキシン類の発がん性を示唆する報告がされています。

③生殖毒性

動物実験ではダイオキシン類による催奇性が確認されています。又妊娠中及び、授乳中に子供の生殖機能、甲状腺機能、免疫機能への影響が低レベルで認められています。

④免疫毒性

動物実験の結果から、ウイルス、細菌、寄生虫に対する感染防御機能が影響したと考えられる致死率増加や、

寄生虫排除の遅れが見られ、抗体生産の制御やリンパ球量の変動も得られています。

ダイオキシンの測定

「ダイオキシ類対策特別措置法」により大気基準適用施設に該当する施設を対象に年に1回、ダイオキシン類濃度の測定が義務付けられています。

(ばい煙及び焼却灰、その他燃え殻が測定対象の項目となります。)

対象となる施設は、主に工場又は事業場に設置されている焼却炉です。

(火床面積が0.5㎡以上又は焼却能力が1時間あたり50kg以上の廃棄物焼却炉が対象となります。)

又、運転及び点検などの作業が常時行われる作業場についても、空気中のダイオキシン類濃度の測定を行わなければなりません。

焼却炉等を解体する場合、事前に付着物のサンプリング調査及び、解体作業開始前・解体作業中に、「作業環境測定基準」に準じた方法により測定を実施しなければなりません。